院名:大岡山ウィメンズクリニック 住所:〒145-0062東京都大田区北千束3-23-5 万栄ビル2F 
電話番号:03-5754-2814

更年期障害

更年期障害について

更年期障害について更年期は、性成熟期と高年期と老齢期の移行期にあたり、閉経前の5年間と閉経後の5年間を合わせた10年間を指します。女性が年齢を重ねると卵巣はその活動性を徐々に失っていき、いずれ月経が停止します。閉経と判断されるのは月経が来ない状態が12か月以上続いた時で、その時からさかのぼって1年前が閉経となります。日本女性の平均閉経年齢は約50歳とされていますが、40歳代前半で閉経を迎える方もいたり、60歳近くまで月経が続く方もあり個人差がかなり大きくなっています。
ホルモンのちょっとした乱れで女性は体調を崩しやすくなります。閉経を中心にした10年間の更年期はエストロゲンという女性ホルモンの分泌が大きく乱れながら低下していくため、さまざまな症状が現れます。こうした症状を更年期症状と呼び、日常生活に支障を及ぼす重い症状のことを更年期障害と呼びます。
更年期は女性ホルモンの低下、加齢によるさまざまな症状も現れやすい時期です。さらに私生活も介護、子どもの独立などで生活に大きな変化が現れる年代です。心身ともにご負担の大きい時期だからこそ、できるだけ快適に過ごしていけるよう上手にコントロールすることが重要です。

女性ホルモンについて

エストロゲンという卵巣から分泌される女性ホルモンの分泌が揺らぎながら減少していくことで更年期に不快な症状が現れます。
エストロゲンは8・9歳頃から分泌がはじまって30代半ばに分泌量のピークを迎え、それから徐々に分泌量が低下していき、閉経を控えた40代半ばから急激に減少するとされています。
エストロゲンの低下は、更年期障害を起こす最大の生物学的要因です。

更年期障害の症状

更年期障害では、かなり多彩な症状が現れます。また、どんな症状がどれほどの強さで現れるかについても個人差がとても大きいことが特徴になっています。ただし、こうした症状が他の病気が原因ではないかを最初にしっかり調べることが重要です。
更年期障害の主な症状には、ほてりなど血管拡張に関するもの、それ以外の身体症状、そして精神症状があります。

血管の拡張による症状

ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗など

その他の身体症状

めまい、動悸、頻脈、頭痛、肩こり、腰痛、背中の痛み、関節の痛み、胸が締め付けられる、冷え、しびれ、疲れやすさ、食欲不振、頻尿など

精神症状

意欲低下、倦怠感、気分の落ち込み、イライラ、突然の怒りや涙など情緒不安定、不眠やすぐ目覚めてしまう睡眠障害など

更年期障害の治療

更年期障害の治療更年期障害の症状にはさまざまな要因が関わっています。生活習慣の見直しと改善で多くの症状を和らげることが可能なケースも多いため、最初にしっかりお話をうかがうことを当クリニックでは重要視しています。
つらい症状がある場合には薬物療法を行うことで、症状の改善に導いていくことができます。薬物療法にはホルモン補充、漢方、向精神薬などがありますので、患者様とご相談しながら最適な処方を決めていきます。

更年期障害の薬物療法

閉経や更年期は女性であればどなたにでもいずれ起こることです。日本女性の平均寿命が90歳に近くなってきた現在、更年期を過ぎてからの年月もかなり長くなっています。更年期障害のつらい症状を「年だから」とあきらめてしまわず、適切な治療を受けて更年期の時期を上手に過ごすことで、それ以降の生活は大きく異なってきます。充実した毎日を送るためにも、いっしょに最適な治療法を考えていきましょう。

ホルモン補充療法(HRT)

更年期障害は閉経に向けてエストロゲンという女性ホルモンが揺らぎながら減少していくことで現れています。そのため、少量のエストロゲンを補うホルモン補充療法(HRT)でさまざまな症状を解消することが可能です。ただし、エストロゲンのみを補充すると子宮内膜増殖症のリスクがありますので黄体ホルモンを併用します。ただし、子宮を手術で摘出している場合にはエストロゲンのみの補充による治療が可能です。
高い効果が見込めるのは血管の拡張によって起こるほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗などの症状の解消で、これ以外のいろいろな症状にも効果が認められています。

ホルモン補充療法は、飲み薬、貼り薬、塗り薬などのタイプがありますし、連続や間を空けるなど投与法により効果の現れ方も変わってきますので、ライフスタイルなどもうかがいながら最適な治療法を見つけていくことが重要です。 ホルモン補充療法(HRT)のメリットは、加齢によって起こりやすい心臓・血管疾患や骨粗鬆症などの予防にもつながることです。特に閉経後の骨粗鬆症は骨折のリスクに直結しているため、寝たきりのきっかけになることも少なくありません。
ホルモン補充療法(HRT)はまれな副作用として乳がんなどを起こす可能性がゼロではないため、医師としっかり相談して経過観察しながら慎重に治療を続けることが重要です。

漢方薬

心身の乱れたバランスを整える働きによって複数の症状を徐々に緩和する効果が見込めます。また、不定愁訴のように原因がわからない不調の改善に漢方は有効です。
いくつもの生薬を組み合わせた処方があり、体質や体力、症状の現れ方などによって適した漢方薬を用います。

婦人科では当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸が主に用いられますが、更年期でもこの3種類を中心にした処方が一般的です。当帰芍薬散は冷え性で貧血の傾向があって体力が低下している方に、加味逍遥散は不安・不眠などがあって疲れやすく体力が普通よりやや弱い方に、そして桂枝茯苓丸はのぼせやホットフラッシュと下腹部の違和感や痛みがあって体力は普通よりある方に適しているとされています。
他にも温経湯、五積散、温清飲などが用いられることもあります。体質的に合う処方が見つかれば高い効果が見込めますが、合わない場合には他の処方を試してみることも必要になります。

向精神薬

不眠や寝てもすぐ目覚めてしまうなどの症状がある場合、また気分の落ち込み・意欲低下・イライラ・情緒不安定などの症状により日常生活に支障が起こっている場合には、抗うつ薬・抗不安薬・催眠鎮静薬などの処方も検討されます。

最近は副作用が比較的少ない選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)なども登場しています。ほてりなどの解消にも役立つため、総合的に判断してつらい症状を上手に解消していきます。

TEL:03-5754-2814
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